ジャカルタ・アジア大会は第3日の20日、バドミントン男子団体準々決勝があり、日本は韓国を3-0で破り、21日の準決勝に進出した。3位決定戦がないため、1970年のバンコク大会以来、48年ぶりのメダルが確定した。2戦連続のストレート勝ちで勢いに乗る日本をけん引するのはトップバッターを務めるエースの桃田賢斗(NTT東日本)だ。 桃田が、世界ランキング5位の孫完虎(ソン・ワノ)とのエース対決を終始圧倒した。「団体戦だと勝ちたい気持ちがより熱くなる」と自然と強打が増えた。攻守のバランスが良く、ミスの少ない相手を全く寄せ付けず、「自分からペースを上げて崩すことができた」と自賛した。 孫完虎に対しては特別な思いもあった。5日まで中国・南京で行われた世界選手権で、順当に行けば準々決勝で対戦するはずだった第4シードの孫完虎が棄権した。第6シードだった桃田は決勝まで世界ランキング上位の相手と当たらない幸運もあり、優勝にも達成感を得られなかったという。「ここで負ければ、シード選手がいないから優勝できたとなる。絶対に負けたくなかった」と普段以上に気持ちが入っていた。 5月にバンコクであった団体世界一を決める国・地域別対抗戦の男子トマス杯でも桃田が各国のエースに6戦6勝し、チームを引っ張った。朴柱奉(パク・ジュボン)監督は「桃田の存在が大きい。1勝を計算できる」とたたえる。 勝負を決める1勝を挙げた西本拳太(トナミ運輸)も「桃田の気迫あふれるプレーに自分も乗っていけた」と同学年の同僚に感謝する。そして、「みんな金メダルしか見ていない。『ここから』という雰囲気」と淡々と話す。初のアジア大会男子団体の頂点まで、あと二つに迫った。【小林悠太】
<アジア大会>桃田がエース対決で圧倒 バドミントン韓国戦

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