「大聖人の曼荼羅本尊をめぐる諸問題について」と題して、大聖人が竜口の法難の後、佐渡に流された時から、図顕され始めた曼荼羅本尊に関して議論されてきたさまざまな問題について、掘り下げてみたいと思います。
花野充道さんによれば、天台大師の著作には、「本尊」「曼荼羅」という言葉は出てこないそうです。なぜなら、それらは、天台滅後に中国に入ってきた真言密教の用語だからです。天台は本尊を立てません。己心を観じて十法界を見るだけです。この天台の観念観法では、六即で言えば観行即まで、菩薩の五十二位でいえば、11番目の初住位に登れるかどうか。天台大師もそこまでしか行けなかったと自分で述べています。ですから、天台大師には、一生成仏とか、即身成仏とかという発想はありません。あくまで歴劫修業です。
これが、中国に留学して天台宗を日本に伝えた伝教大師にとって、大きな問題でした。なぜなら、当時、すでに真言密教が中国に伝わり、「即身成仏」が唱えられていたからです。伝教も少し密教を学んで持ち帰ったようですが、不完全でした。そこに、弘法大師空海が真言密教そのものを中国で学んで持ち帰ってきたので、最澄は弟子を空海のもとに送ったり、自身が空海の弟子となって、真言密教を取り入れようとします。
「理同事勝」──天台の説いた「一念三千論」は、理論的には究竟(最高)と言えますが、真言宗には、天台にはない「印」(身業)と「真言」(口業)があるので、即身成仏が可能であり、真言宗のほうが優れているというのです。
伝教の弟子の慈覚や智証は、この天台宗に欠けているものを補おうと、中国に留学し、空海を通さず、真言密教を直輸入しました。最澄滅後、比叡山が急速に密教化して、空海の「東密」に対して、比叡山の「台密」が成立していった背景には、こうした「即身成仏」問題があったわけです。
「己心」を観じて「十法界」即ち「仏界」を見ようとす止観業では、どうしても歴劫修業になってしまいます。天台自身が成仏できなかったことを認めているわけです。では、真言密教では、どうして即身成仏が可能になるのか?
それは、本尊を立てるからです。本尊(仏)と三密加持の原理によって一体になれば、自分自身も仏になれると言うのです。三密とは身・口・意の三業のことです。「印」(身業)と「真言」(口業)等によって、自身の身・口・意を仏の身・口・意と一致(境智冥合、感応道交)させれば、即、自身が仏になるというのです。
大聖人は、三国四師といって、天台・伝教の流れに自身を位置づけ、空海や慈覚智証を批判しますが、明らかに大聖人は「台密」という密教の中から生まれています。だから、本尊を立て、御本尊との境智冥合、感応道交による即身成仏、一生成仏を説いているのです。
私は、「境智冥合」「感応道交」と何度も繰り返してきましたが、真言宗では「入我我入」と言います。このワードで検索をかけたら、非常に興味深いブログに出会いました。
入我我入とオリンピック。空海研究会の基調講演──弁護士の山内良治
https://nagano-law.com/blog/yamauchi/36/
興味があったら、お読みください。
さて、大聖人は開目抄で、「日蓮といゐし者は去年九月十二日子丑の時に頸はねられぬ、此れは魂魄・佐土の国にいたりて」と仰せになり、佐渡流罪以降、「日蓮が魂・魂魄」を「すみにそめながして・かきて候ぞ」と紙墨の曼荼羅を書き表わされ、弟子檀那らに下付されています。
この曼荼羅本尊については、昔から、法本尊・仏(人)本尊の問題がありました。曼荼羅本尊自体を人法一箇の本尊とみて、仏像造立を否定する大石寺系に対して、曼荼羅本尊を法本尊としか見ない人々にとっては、曼荼羅は単なる“設計図”に過ぎず、一尊四士、一搭両尊四士など、仏像を並べて曼荼羅を立体的に表現しようとしました。
2014年に会則の教義条項を改定した創価学会も、曼荼羅本尊は、「宇宙と生命の根本の法」を書き表わした図像(法本尊)としか考えておらず、日蓮本仏を否定し、釈迦本仏を唱える方向に向かっており、仏像本尊を許容しかねない雲行きです。
また、曼荼羅本尊自体も、相貌が年代によって大きく変わっており、その変化が何を意味するのかが一つの問題になっています。
さらに、大石寺が生身の大聖人と拝するいわゆる戒壇板本尊の真偽問題についても、その真実を究明したいと思います。
【この動画の資料】
https://drive.google.com/drive/folders/1lZM9ozeJmHFUNZ8c4UKfzA6cuVmcZMEb?usp=sharing
【関連動画】
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人本尊が消え法本尊のみに!
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2015年9月5日、創価大学宮田教授(当時)が、日本宗教学会 第74回学術大会で発表した衝撃的内容❗️(創価大学にて)
【関連資料】
本尊(日蓮正宗)…Wikipedia
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%AC%E5%B0%8A_(%E6%97%A5%E8%93%AE%E6%AD%A3%E5%AE%97))
講師 波田地克利
1958年山口県生まれ。創価大学大学院修士課程修了。1991年2月創価学会金褒章受章。元聖教新聞社企画部副部長。
学会最強の論客にして対宗門の急先鋒。第二次宗門問題渦中において創価新報の日顕宗キャンペーンなどを担当し、宗門の謗法を徹底的に破折した。
2014年、谷川佳樹、佐藤浩、八尋頼雄、北林芳典、竹岡誠治らの悪事を糾弾したことで除名される。
現在は教学研究会にて、戸田第二代会長が学会内の出現を予言され、その通りに現れた仏法破壊の師子身中の虫、師弟違背の僭聖増上慢を呵責すると共に、当会のスローガンでもあり、池田先生が心ある同志に託された「自身と学会の目の覚めるような発迹顕本」を目指す為の論陣を展開する。
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